膨らむひとりごと

日々の散文

抽象と具体

この音楽最高、脳汁あふれるわ!!!!

 

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大好きなジャズピアニストのChick CoreaHerbie Hancockのライブ

 

わたしはこの二人の演奏を子供の頃たまたま流れていたのを聴いたのがきっかけで、本当に本当に感銘を受けてピアノに対しても、音楽に対しても、ジャズに対しても接し方が大きく変わる転機となった。

 

「脳汁あふれる」は造語だが、聴いた瞬間にブシャア!っと脳内からすっごい勢いで興奮と快感といろんな感情が織り混ざったなんとも言えないものが溢れ出てくる感じがするので「脳汁あふれる」と抽象的に表している。これ聴いてる時も曲作ってる時も弾いてる時も出るやつ。

 

 

 

普段抽象的にものごとを見たり表したりすることがとても多いけれど、抽象度が自らの中で上げれば上がるだけ、実は詳細に具体的に知りたくなる。

 

例えば、この音楽が脳汁溢れる感じがするのは一体どういう仕組みなのだろうか?

なぜこの音が気持ちいのか、なぜふわふわしたり、パキパキしたり、キラキラしたりするものが出てる(感じる)のだろうか、どうしてクシュっとして聴こえたり、ひろ〜く聴こえたりするのだろうか、、、もうなぜとどうしてのオンパレード。

なぜ?とどうして?への好奇心が絶えない、知るとたのしい、わかるとおもしろい。わたしもそういうのやりたい。

その興味とひたすらの関心で音大に行ったし、やっぱりいろんな発見があっていっぱい心も折れまくったけど楽しかったし今も生きた知識と経験になっている笑

 

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己の中の抽象度が増すと、比例して具体度も増していく。

抽象化だけをしていても満足できない。だってなぜ?がぼんやりしているから。

 

むしろ抽象化されて膨らんだものはどんどん詳細に識りたくなるし、客観的なデータや事実としてどんなことが挙げられるているのかを深掘りしたくなる。

 

そしてそれと一見矛盾するようだが、わからないものがいちばん好き。

なぜとどうしてに満ち溢れて抽象的な話はどこまでも拡がっていくけれど、必死に人間はそれを研究したり事実を検証したりする。けどやっぱり最終的にはまだまだわかることが少ない…というか一番の核はキラキラした永遠に手の届かない宇宙の中に隠されてる感じ。もうそういうのが一番たまらなく好き。(伝われ)

 

大体どうして「わかった」が「わかる」んだろうか?というのは幼少期からの疑問だが、結局わかるということは仮説でしかなくて、世の中全て「わかったということ」という仮定なのだとよく思うのだ。しかし、そうであってもその「わかったということ」に辿り着くまでに古今東西様々な人の熱意や時間や人生や思考や感性やあらゆる叡智が詰まっているのでバカにすることは決してしたくないし、むしろとても尊敬している。

なのでわたし自身が一生を通して「わかる」ことは何一つないが、「わかったということ(仮定)」を深く識りたいという欲望は並々ならぬ。ソクラテス無知の知じゃないが、常に自分はなにも知ることはないと知った上で、識りたいということを望んでいる。

 

抽象度が増すことはまだわからない部分が多いこととも言い換えられる。そういう意味では好奇心と興味しかないのだ。だからこそより詳細に専門的に関心が惹き寄せられる。

今の大学で勉強していることもまさしく、抽象的でわからない様な事物をどれだけ微細に拾い上げ具体的な事実として考察、論証できるかをひたすらやっている。

それはとてもとても緻密な知と行動の総結集であり、本当にどんな事もおもしろすぎてわたしは日々新しいことを知る度に過剰表現でなくこころから感動するのだ。

でも、結局そういった頭を使った具体的な事実を体感として得るにはやっぱり抽象的に解釈したり繋げていくことも必要になるので、抽象と具体は密接に繋がっているというか表裏一体なのだなあと思うのである。

 

最近おもしろいのは違う文化圏の想像もしないような(本当に想像したこともないような)文化を聞いた時のじぶんの中のファーストインパクトがどんなものかを観察するのがおもしろい。その文化自体ももちろんものすごくおもしろいのだが、それを受けたじぶんがしばらく受け入れ難くてよく理解できてない状態でいるのを自分自身で観るのがおもしろいのだ。その時にじぶんの中にどんなものが眠っているのか、どんな感覚になるのか、直感的に恐怖を感じているだとか、そういう身体化される感覚みたいなのを拾うのだ!すっごい色々おもしろいしたのしい。

 

…また脱線しました。

 

そういえば昔大学の時の師匠に「君はなぜが多すぎる笑」と諭されたのち「なぜ、は本当はないんだよ」と言われたことがあったな笑

 

つづく