膨らむひとりごと

日々の散文

旅の精度

旅から帰った。もちろんのひとり旅。

基本的にその時行きたいと思い立ったら飛び立つスタイル。初めてひとり旅をした中学生の時から変わらない。が、やっぱり旅を重ねる毎にその精度が熟練されてきたなと今回感じられてうれしくなった。旅上手だ、と自他共に褒められる。

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旅の精度とは何なのか。

旅の精度、すなわちじぶんの感覚を拾って現実で身体を行動させていくズレのなさとでも言おうか。“ぴぴぴ“というじぶんからの合図を日常的にキャッチ出来ている事ありきの話でもあるが、旅というのはそれが更に凝縮されている気がする。

わたしはいつも旅程計画を立てない。最近は旅行支援等の制度を利用している時もあるので、そんな時は必要な部分は下準備するが絶対に妥協しない。「これがいい」を押さえているものを絶対に見つけるし、探し当てる。無いものは先方に連絡して交渉するのは当然。意外とそうじゃない人が多いということを最近知って驚いた。旅の精度というのは、そういうところでもう始まっているなと思う。まあもう旅っていうか、生き方そのものであるのだけど。

今回も下準備は行き来のチケットと、ホテルの素泊まり予約のみ。これまでは旅に来て当日予約をしたり、延泊や帰る段取りを変えることもよくあったので、割と決めてる方だったなと思う。それはそれ、これはこれの良さがある。

でようやく本題に入るが、今回は本当に全てが過去一高精度だった。「今こうしたい」という感覚と、それを行動すること、そして狙わずとも全ての場所も時間も人もピッタリと寸分の狂いもなく整ってある。これがとても気持ちが良い。我ながら最高!とどの瞬間も味わい拍手だった。

まあこう書くと抽象的なので具体的に書くと、まず時刻表も時間も見てない。最低限の新幹線に乗る以外は決めてない。場所に関しても「今行きたい場所に居たいだけいる」だけ。

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更に行き先で自然音のフィールドレコーディングをしたかったので、どうしても静かである必要があった。どう考えても日夜人が絶えない場所で、雑音が入ってしまうのも避けられないようなところだったのに、ちゃんとわたしひとりだけのゆっくりとした静寂の時間が用意された。時間は流れていてもまるで精神と時の部屋みたいで、そこだけが別のトーンになった様だった。これが本当に必要な場所で今回毎回起こって自分でもびっくり。

音を録っている間、じぶんの静かな息遣いや心音、身体の感覚を感じられて、気持ちが良かったな。録音された音は過去のものになってしまうけど、あの瞬間音や空間とそこにある存在物と自分が一体になって「今」を連続して感じられたのは何にも変え難い。外は冷たい風でしんとしているのに不思議と寒さで辛いと思うこともなかった。どれくらいの時間あの場所に居たのだろうか、時計を見ていないので分からないけど、すごく長く感じられた。

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↑同じ場所だけど、夜と朝で全然違うんだよ〜

 

そうやってじっくりとじぶんの体感で動いていても、ジャストすぎるくらいジャストに移動する乗り物に乗れたり、行きたいところに行ける。そんなに交通手段も本数も多く無い場所なのになんの焦りも滞りもなく。そしてどこのお店に入っても、美味しい、そして空間も素敵で、一番座りたい席に座れて、お店の人とはなしてもすごく皆良い人。もちろん事前情報などないので、その時食べたいものを、食べたいところで。結果パーフェクト。

 

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ブログでも実生活でもしつこいくらい言ってるけど、とにかく「今」にいて選ぶことが大切なのだ。結局自分自身が洗練されているというか、嘘がなく一致した状態でいるか。算段をしたり、予想の範囲内で動くということをしてない。

なのであの電車に乗らないとダメとか、○○と××に行かなきゃ!急がなきゃ!とかないよと多くの人には言いたい。それって、予定調和だからおもしろくなくない?というかそんなのは本当は無視してでも「なんかこうしたい、こここがいい」今そこでどうしたいかが大事にした方が人生で見た時に絶対楽しいからすき。絶対なんとかなるもん。これちなみに海外でも無意識でやってきたけどやっぱりなんも怖いことも困ることも起きてない!笑

 

旅というのは生活の延長だし、ある種の日常の答え合わせ的な部分がある。ある人にとっては計画性を持って遂行することが大切だし、ある人にとってはリラクゼーションでもある。

でも、わたしにとっては旅は自分自身の日常の洗練具合や、“ぴぴぴ“という精度とどれだけ一致しているか、偽りがなく生きているかを自然と確かめられる機会なのだ。

今回は旅の精度がとても上がっていたし、近々の生活上で発見した様々な事柄とリンクして発見や実践、感得することが繋がっていった分、とても気持ち良くてうれしかった〜。今年もたくさん旅に行きます。

 

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