最近おもしろい映画を何本か見た。
単館上映だからこそかなり、コアなものをやってくれるのがうれしい。
『大海原のソングライン』
民族・文化・人間・非人間、そして音楽やアート(便宜上言葉で分類しているけど、本当は分類したくはない)の入り組んで絡まり合った関係に特にこの一年、どんどん濃く入っている。
とてもおもしろくて、たのしくて、学んだり作ったり、思考や感覚を巡らせるのがすきだ。
この大海原のソングライン、本当に本当に素晴らしかった。
台湾のタロコ族から始まり、マレーシア、マダガスカル、ソロモン諸島、ハワイ、イースター島、ニュージーランド、オーストラリアと本当にたくさんの地域の民族に伝わる音楽や文化をリアルに撮影録音し、それを楽曲と映像でミクスチャーしていくドキュメンタリー作品。
それぞれの共通点は「海」
2000年以上前から海を渡りってきた彼らにはそれぞれの文化がある。
■音楽的なこころと文化的なこころは比例する?
彼らの誰もがその地に伝わる伝統楽器を使い、古くから伝わる歌や音楽を奏でる。
そもそもなぜそんなに音楽が残るのかといえば、主に儀礼や意思の伝達の目的のために言葉より前にあったからだ。
儀礼について詳しくはピックアップされていなかったが、多くの場合が
「死者のため」「先祖の霊」「自然の精霊たちへ」
などへ向けたものや、それを語る歌が多い。
そこにはわたしたちが思う「音楽」はない。もっと根源的な欲求や生死への問い、血を滾らせるなにかが常にあるのではないか。そして、本来強力で美しさと同時に命そのものに対する緊迫感や恐ろしさが含まれているのだと思える。
いくら形だけを真似てもそれらは決して体得することができないものだ
だからこそこの映画の中で息をする人々の音楽が体の奥底に響くのだろう。
■レイヤーで見る世界
最近ずっと気にかかっている「レイヤー」
あらゆる存在や環境や条件を全てそれぞれのレイヤーが重なり合っていることとして見る。
それは現象理解に努めるために構造的に見ることが目的でもあるが、そうではなく「一つ」と思い込んでいた対象をよりクリアに感じ取ることにものすごく敏感になれる。そしてとてもおもしろい視点が増える。幾重にも重なった世界には物事が点在しているのではなくて、ミルフィーユのように積もっているのかもしれない。
こんなメモを残していた笑
レイヤーでこの映画を見ると横につながっているものというよりも縦に重なっている。
まさに楽曲のトラックも縦に重ねていくので音楽はレイヤーだ。
違う場所、時間、言葉、民族として存在していてもこの映画や楽曲を通していくつもの人々や文化、音楽のレイヤーが重なって新しいものが生まれていく、そんなことを感じた。
書きたり無いけど、もう一回年内に見にいく。
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『冥界婚』
こちらは東京ドキュメンタリー映画祭で上映された作品。
韓国の冥界婚という儀礼を撮ったものだ。
あまりにも色々凄すぎてみている最中から忘れてしまわないようにするのが大変だった笑
終わったあと、即気になったことをメモ。長くなるので諸々は割愛
とにかくこんなにガッツリと映像で儀礼文化を見られることはまず無いので、とてもとても有り難くおもしろい。学校の授業や参考文献などで学んでいることなども照らし合わせると色々な捉え方や考え方ができる。特にシャーマニズムにおける音楽との繋がりはとても濃いものだなとより一層研究に繋がりそうなことも受け取れた。考えたいポイントがたくさんあった。
冬休みはそんなことを種に来年に向けてまた色々深めようと思います。
ああ、本当に地球はたのしい。
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