息を吸って吐くの最高だ〜
最近また一層そう思う。特別な何かでそう思うのではなく、普通に生活するのに息を吸って吐くのが生き物だ。それなのに呼吸をなおざりにしている人類が多い。主語がバカでかいだろうか。
"有用なことをしないと意味が無い＝何かしないと、生産性のあることをしないと意味が無い"
みたいなことをよく世は言うし、なんか意味ありげ、だとされることをやって喜んでいる人が多く見える。そういう訳で呼吸への意識なんてみんな日常で忘れてるんだろうなあと日頃周りの人を見ていて思うことが多い。時勢的にマスクをしていても、感染症があろうともそれは関係なく、おろそかにしているのだ。
吸って吐く、吸って吐く、吸って吐いて、吸って、吐いて、吸っての繰り返しをじっくりしながら、じぶんを観察すると、皮膚の外側のことにどれだけ意識が向いているかがわかる。
生活をする中で思考ばかりが先行し、理屈や段取りばかりに気を取られて、じぶんの呼吸なんて後回しみたいな人が多すぎて、そういう人はなんだか動きに切れ目がなくて、表情もどこかぎこちなくて、たのしそうじゃなくて、何かに焦っているのか妙な違和感がある。一見、充実してそうな人でも、そう見せたがってるだけで、実はその真逆という人は全然いる。だから見てくれの充実度など本当に関係ないのである。
こどものころからライブを見に行った時に、ものすごくグワッとくる瞬間があった。それは音そのものだけではなく、それ以上にその空間の空気がきらきらしているのだ。こどもながらに「あ、なんかきらきらしてる〜」と思っておもいっきり、吸い込んで、吸い込んで、吐いたりした。あれはきっと、演奏者がものすごく「今この瞬間」を溢れるくらいの満ち満ちたエネルギーで生きているからだ。つまりその呼吸からきらきらしていたんだ、とおもった。音楽って呼吸なんだなあって今更ながら繋がる。
言葉で書くとすごく軽薄になってしまうけど、呼吸するって、まさに「今」なんだよなあと超超超超超超超超思うのだ。これは昨今のマインドフルネスや瞑想、ヨガとかそういうのでも盛んに言われているが、言葉尻で捉えてわかった気、やった気になるのでは意味がない。なんの教えも正しいやり方も要らないから、まずは自らの呼吸を、じぶんの体を通して真剣に観察しつつ意識を向けることをやり続けるとだんだんとその感覚が体得できるようになる。
かくいうわたしも、呼吸そのものへの考え方含め、瞑想実践は禅宗の座禅系(いわゆる無を目指す)瞑想、テーラワーダのヴィパッサナー瞑想(観察系瞑想)も20歳そこそこからお坊さんやお寺で習って地味にぼちぼちやってきたゆる〜い10年選手。そして思ったのは、当たり前だけどその時ばかりやっても、そんな一朝一夕ではなんもならん(笑)大体日々の生活の中で何クソ！と腹が立ったり落ち込んだり、不安定な時ほどそんなことどっかにすっ飛んでしまうのが人間なのである。なので、とにかく思い出せる限り、いつでもどこでも「あ〜今わたしはいきをすってはく〜」と地道にやるしかないのである。わざわざ心が落ち着く本とか、自分を変える方法みたいなのを探してこなくても、この呼吸することに立ち返れば、自然とじぶんの内側にも、生きていることそのものにも気づきが起きる。誰かに教えてもらったことなんて、結局きっかけ程度だし、じぶん自身にしか本当のことはわからないなと思うのだ。
今と同時に呼吸をするのは生きる力をじぶんに染み込ませているんだなあとよく感じるので、呼吸に集中して生きられたらきっと世の中の比較や争いや無駄な付加価値みたいなものがなくなっておだやかになるんじゃないかなあ。だって気持ち好く息を吸って吐けたら、「あ〜これだけでいいんだなあ、ていうかこれが最高なんだな、生きてるな」ってめっちゃ思うもんね。みんな、呼吸ちゃんとしようぜ。たまに自然の中にいって深呼吸した気になった程度じゃあんまり意味がないから、毎日の生活の中で、いつでもどこでも呼吸をしっかりするのだ〜。
そしてこの「今、呼吸にじぶんが全力」だと、人間以外の他の生き物の音や匂いや、感触やいろんなものに鋭くなるし、より一層感じ取れる。ちゃんと木のような有機物も、水のような無機物も、アリのようなちいさな存在にも当たり前に目がいくし、「あ〜いまこの存在もそれぞれ呼吸してるな」って自然と受け取れるんだよね。別にスピリチュアルでもなんでもない。だってそれは当たり前に普通なのだから。つまり人間以外の存在に意識が向くかどうかは視覚や思考としての問題だけじゃなくて、呼吸で繋がってるかどうかも大きいのだ。やっぱり人類は呼吸をもっとちゃんとするのがいいとおもう。地球で生きることにやさしくなれるし、地球のいろんな存在を大切にできる一歩だと思う。
わたしの分身のコジコジもおなじことを言っているのだった。
