数年は前に買って積読していた本をふと思い出し最近読み込んでいる。すごく今読むのに最適。
イタリアの理論物理学者、カルロ・ロヴェッリhttps://www.cpt.univ-mrs.fr/~rovelli/ が書いた『時間は存在しない』
科学エッセイ、とは言うものの基本的には物理学や天文学、自然科学の基礎があった上で読む方が頭に絶対すんなり入りそう。でも結構噛み砕いてくれているのと翻訳のおかげで、理系書籍の中ではだいぶ読みやすい方だ。そして著者が超絶物理学者なわりにはなるべく数式を使わずに伝えようと努力してくれてることが伺えて感謝。わたしももっと数学や物理の計算や数字に強かったら天文物理学とか宇宙生物学とかの研究者もおもしろそうだなあと思うところ。
前半戦はボルツマンの話から始まり、熱力学のエントロピーを援用して、熱が移動するエネルギーから時間の定義そのものを解いたことを説明している。中々難解なのでまだまだ何度も読み込み中。そこの詳細はまた追々。
ただ、時間というものをどう扱うか?今をどう捉えるか、それも地球だけではなく、宇宙、または別の惑星も含めたところでどうなるかという章に焦点を当てて読んでいたので思わずおもしろくて今日も半日じっくり時間をかけて読みながら勉強して、じぶんのためにまとめた。
次郎くんは地球から約4光年離れたプロキシマ・ケンタウリbという星にいます。
そしてコジコジは地球にいます。
二つの「今ここ」の時間がどうなっているのかを考えてみています。
本文にはこんな風には書いてないけどわたしがわかりやすいのでコジコジと次郎くん。
地球の今ここ、で「ケンタウリb」で次郎くんに今何がおこっているかをコジコジが知ろうとしても、光が届くのが4年かかるのでオンタイムで知ることは不可能です。
ならば次郎くんが体感している時間はどうなるのでしょうか
「現在」「いま」と定義出来て、共有できるのはかなり狭い範囲(地球一個分くらい)のことだけ、それ以上広い範囲になると「いま」という概念そのものが共有できなくなるらしい。
時間の合間には「拡張された現在」があり、それはその場所ごとによって時間の進み方も長さも感じ方も違うらしい。
この宇宙全体で定義できる「同じ瞬間なんてない」ので、そもそもこの次郎くんがケンタウリbで「いま何している?」という質問そのものが意味がない、というのが著者の意見だし、すごく腑に落ちた。超おもしろい。「現実とは私たちをつつむ泡のようなもの」っていうのもすごく捉えやすい表現で感動した。
もっと詳しく、もっと理論的にはアインシュタインとかが解明しているが、引用文献や注釈を読んでも中々読解が難しい。が、「なんか感覚的にわかる」なのでたのしい。
ので、じぶんがおもしろく読み込めるところからまた読み進めていく。
時間っておもしろーい。